賢者の仕事、賢者の健康

Vol.4サッカー選手は「サッカーやるだけじゃダメだな」って思ってます
中村憲剛氏 インタビュー(後編)

この世界はね、いい意味での“ズルさ”や“悪さ”もないと生き残れないですよ

− 素直さとクールさが無理なく中村さんの中に共存してますね。

中村意外と腹黒いところもあったり(笑)。いや、この世界はね、腹黒さもないと生き残れないですよ。良い意味での“ズルさ”や“悪さ”がないと。さっきもお話しましたけどサッカーはようは勝負事ですから、相手が嫌がることが勝利につながるので。

特に僕は中盤のボランチの選手ですから。そういうことを四六時中考えてるんです。相手をうまく欺くことをずっとやり続けるポジションというか。

− 極端な話、本当に素直で良い人なら「負けてあげればいい」ってなりますね。

中村そうなんですよ、究極の話。でも、プロのアスリートなんて負けず嫌いの集まりですから。負けるのは本当に口惜しい。練習のミニゲームでも負けたらムカムカきます(笑)。

− そこがまたバネになるのかも。では、そろそろいただいた取材時間も少なくなってきましたので。

中村いま45分くらいですかね?

− ほんとだ。始まってピッタリ45分……。いま時計も何も見ずにおっしゃいましたけど、もしかしてそれってある種の職業病ですか?

中村いや、なんとなくです(笑)。

− ボランチはタイムキープも完璧なのかと(笑)。ということは“試合終了”まであと15分ありますから、最後に川崎フロンターレというクラブについてご質問を。フロンターレは地域密着のユニークな取り組みでも知られています。中村さんご自身はホームタウンに対してどういう思いを持っているんでしょう?

中村僕が入る前から地域との関わりを大切にしてきたチームで、いろんな企画やイベントをやってきてますよね。「ファン感謝デー」には選手も踊ったり、企画によってはちょっと恥ずかしいのもあるんですけど(笑)、うまく使ってもらえてるなあと。

そういった取り組みの手応えは、この14年やってきた中で肌で感じてます。たとえば最初、僕が入った時はホームスタジアムで3000人くらいのお客さんだったと思うんですけど、今は平均2万人超えてますから。

もちろんその間にJ2からJ1に上がったり、代表戦に出たり色んな出来事があったんですけど、絶対それだけじゃないんですよね。

色んなイベントに選手が出て行くことで、まずは川崎の人たちに親しみを持ってもらい、スタジアムにも足を運んでいただいて、「サッカーって面白いじゃん!」っていうふうに感じてもらいたいし、実際そうやってみんなと一緒にチームを大きくしてきたという自負もあって。

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