賢者の仕事、賢者の健康

Vol.4サッカーって“毎秒がプレゼン”みたいなとこあるんですよ
中村憲剛氏 インタビュー(前編)

イメージがシンクロした時にゴールが生まれるんです

− なんだか共感します。おっしゃった声がけは日頃の練習で大事なことと思うのですが、「本番で勝つ」ために大事なことってなんですか。

中村イメージの共有ですね。たとえば僕がボールを持った時に、別の選手が「憲剛さんだったらここに出してくるだろうから、点が取れるところに走ろう」って動くとしますよね。僕は僕で「アイツならこう動くだろうからそこに出そう」と。

そうやって二人のイメージがシンクロした時に、ゴールが生まれるんですよ。偶発的に点が取れることなんてほとんどなくて、スゴいキレイな形で決まる。要するに、勝つためには各々が勝手なことをしていてはいけないってことなんですけど。

− そのためにはやっぱりコミュニケーションが大事なんですね。

中村もちろんです。ボールを持った時の動き出しなんかは「こう動いたらどうでしょう?」「あ、いいね」みたいなところありますから。それを選択・判断してプレイにつなげていく作業の連続なので、その意味では“毎秒がプレゼン”みたいな感じなんです。

− サッカーは“毎秒がプレゼン”。その名言、この記事のタイトルにいただきです(笑)。インタビュー前半22分、シュート決まりましたね。イメージがシンクロしました。それにしても、フィールドで瞬時瞬時にジャッジして、アクションもしなければいけない司令塔の頭の中はどうなっているのか。予想外の動きをする選手もいるでしょうし。

中村外から見てる人が「ここに出せばいいのに」って流れから決まるゴールも沸くんですけど、「え、そこに出すの? で、そこに動くの?」っていう意外性のあるプレイが入って来るとスタジアムがもっと沸くんです。

たぶんそれってほかの仕事でも一緒かもしれない。だれも思いつかないような企画やアイデアがポンと出て来た時に、「それすごい面白いね!」ってなってヒット商品が生まれるみたいな。サッカーって、90分の中でそういうことが日常的に起こるんですよ。

− それは飽きてられませんね?

中村そうでしょ?(笑)

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