賢者の仕事、賢者の健康

Vol.4サッカーって“毎秒がプレゼン”みたいなとこあるんですよ
中村憲剛氏 インタビュー(前編)

今回の賢者

PROFILE
サッカー選手中村憲剛

1980年10月31日生まれ。中央大学を卒業後、2003年から川崎フロンターレに加入。高い戦術眼と正確な技術でゲームをコントロールする国内屈指のゲームメーカー。06年に初めて日本代表に選出され、10年には南アフリカW杯出場。Jリーグ優秀選手賞11回受賞。J1通算350試合出場を達成。(16年4月24日時点)
現在、挑戦の日々と生きざまを描いたノンフィクション書籍『残心 Jリーガー中村憲剛の挑戦と挫折の1700日』(講談社)が絶賛発売中。
>公式サイト

各界の一線で活躍するキーパーソンが、「仕事と健康」について語るインタビュー連載「賢者の仕事、賢者の健康」。今回のゲストは川崎フロンターレの中村憲剛選手です。キャプテンとしてチームを引っ張りながら、「サッカーがうまくなりたい」と日々挑戦し続けている中村さん。“仕事=サッカー”への情熱はどこから湧き出してくるのか聞いてみました。
(聞き手:河尻亨一)

パーフェクトにやりたいんです。絶対無理だとわかってはいても

− 今日は「賢者の仕事・賢者の健康」というインタビュー連載なのですが。

中村(憲剛氏 ※以下、中村)賢者? 「ドラクエ」でしか聞いたことないですよ。大丈夫ですか? 僕で(笑)。簡単になれなさそうですよね…。“何かを極めてる人”っていうことでしょうから。

− 中村さんも十分極めてらっしゃる方だと思うのですが。

中村いや、まだまだです。まだまだ青い。でも、30代も半ばを過ぎて、さすがに「ちょっとはつかめたか?」って気もしないわけではなくて。

− そのあたりをぜひ。ただ、ひとつお伝えしておかないといけないのは、私はスポーツジャーナリストではなく、サッカーに関してほぼ無知です。これまでにないアウェイ感があるのですが(笑)、とんでもない質問をしてもご勘弁いただければと。

中村わかりました(笑)。

− 最近出版された本、読ませていただきました(『残心−Jリーガー中村憲剛の挑戦と挫折の1700日』※著者は飯尾篤史氏)。感想としては、この本の帯にもあるように、現在でも「サッカーがうまくなりたい」と真剣に考え、そこに向けて努力し続けているというのが純粋にスゴいなと。さっき「まだまだ青い」というふうにもおっしゃってましたが、何が中村さんの原動力になっているんですか。

中村究極的にはミスをなくしたいんです。サッカーって手ではなく足を使いますよね? そこがやっぱりほかのスポーツと根っこから違うところで。足を使うぶん不確定な要素が多く、ミスは避けられないっていうのが前提なんですね。だから、「それをどうやったらなくせるか?」という努力をすることはとても大事なことなんです。

しかも無難にプレイするのではなく、チャレンジやリスクを背負ったプレーもパーフェクトにやりたくて。それができたら最高じゃないですか?

でも、ほとんど無理なんです。よっぽどでない限り。メッシやクリスティアーノ・ロナウドみたいな頂点にいる人たちでもミスするんですよ。そういうスポーツなので、どこまで行っても満足することがない。それで僕は「毎日毎日うまくなりたい」って単純に思ってるんです。それが究極の目標ですよね。

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