筋肉痛の原因

どうして症状が起こるの?

久しぶりにはりきって運動したのはいいけれど、次の日、体のあちらこちらが痛い…。こんな経験をしたことのある方も多いでしょう。筋肉痛とは、運動によって傷ついた筋肉の線維を修復しようとするときに起こる痛みだと考えられています。

筋肉痛とは

筋肉痛とは運動に伴って起こる筋肉の痛みです。一般的には、運動が終わった数時間後から翌日~翌々日というように、時間を置いて起こる「遅発性筋痛」が、「筋肉痛」と呼ばれています。慣れない運動を行ったとき、普段使わない筋肉を使いすぎた場合などに顕著に現れます。

筋肉痛

筋肉痛の原因は運動によって傷ついた筋線維を修復するときに起こる痛み

筋肉痛のメカニズムは、医学的にははっきりと解明されていません。
かつては、運動したときに生じる疲労物質「乳酸」の蓄積が原因だとする説もありましたが、その矛盾点が指摘されていることから、現在は、運動によって傷ついた筋線維を修復しようとするときに起こる痛みであるという説が有力となっています。

筋肉の構造

  1. 普段使わない筋肉を突然使ったり、同じ筋肉を使いすぎたりすることで、筋肉を構成している線維(=筋線維)や周りの結合組織に微細な傷がつく。
  2. 損傷した筋線維を修復するために白血球を中心とした血液成分が集まる。このとき「炎症」が起き、刺激物質(ブラジキニン、ヒスタミン、セロトニン、プロスタグランジンなど)が生産され、筋膜(筋肉を包んでいる膜)を刺激する。それが感覚中枢を介し、痛みとして感じる。

つまり筋肉痛とは、傷ついた筋線維を修復する過程で炎症が起き、生成された刺激物質が筋膜を刺激して起こるものと考えられています。

筋肉痛が起こる仕組み

  • ここでいう「炎症」とは、炎症を起こす生理活性物質(痛み物質)の放出→血管の拡張、血漿成分滲出、白血球の浸潤などの炎症反応→さらに痛み物質産生→さらに炎症反応増強・・といった一連の生体反応を指します。

なぜ時間を置いて痛むのか

筋線維そのものには痛みを感じる神経がありません。痛みは、炎症が広がって発痛物質が筋膜に届くようになってから感じるため、時間差があると考えられています。

普段からよく動かしている筋肉には、筋肉に血液を送る毛細血管がよく発達しています。一方、あまり使っていない筋肉には、毛細血管が十分に巡らされていません。そのため、急激にその筋肉を動かしても、損傷した筋線維に血液成分が集まるまで時間がかかり、さらに発痛物質が生産されるまで時間がかかるとも考えられています。日頃からよく筋肉を使っている人は、少々筋線維を痛めても修復がすぐに進む=筋肉痛が起こりにくいのかもしれません。

ちなみに、「歳をとると筋肉痛が遅く出る」と言われますが、これも定かではありません。同じ運動をした後の筋肉痛の出方に年齢による時間差は認められなかったとする調査報告もみられています。

筋肉痛になりやすい運動とは

私たちは運動するとき、筋肉を収縮させて力を発揮しています。この筋肉の収縮運動は、以下の3種類に分けられます。

  • 伸びながら力を発揮するエキセントリック(伸張性)運動 :重い荷物を下ろす、階段を下りるなど
  • 縮みながら力を発揮するコンセントリック(短縮性)運動 :重い荷物を持ち上げる、階段を上るなど
  • 伸縮なく力を発揮するアイソメトリック(等尺性)運動 :腕相撲など

に分けられます。このうち、特に筋肉痛になりやすいのがエキセントリック運動です。筋肉を伸ばすときのほうが筋線維への負荷が大きくなるため、損傷が起こりやすくなるからです。階段を下りるとき、坂道を下りるとき、重いものを下ろすときなどは、ゆっくりとした動作を心がけたいものです。

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