湿疹・かぶれの対策

湿疹・かぶれ

3.湿疹やかぶれが起こったらどうする?

軽い湿疹、原因がわかっているかぶれなどの場合はセルフケアできますが、まれに病気の症状の一つとして現れるケースもあります。セルフケアできるケース、早めに専門医を受診した方がいいケースを理解しておきましょう。

病院に行くべき症状と、セルフケアできる症状

●病院に行くべき症状
急に症状が出た、何による刺激か思い当たらない、腫れもかゆみもひどいといった場合、原因を確かめる必要があります。皮膚科専門医などを受診しましょう。ほかにも、次のようなときには、早めにかかりつけ医、専門医を受診しましょう。

(1) アトピー性皮膚炎が疑われる場合
はっきりとした原因が、いまなお特定できないといわれるアトピー性皮膚炎は、早期発見と治療が必要です。以下が思い当たる場合は、専門医を受診するとともに、食生活をはじめとした生活習慣の見直しも行いましょう。

  • ・かゆみの強い湿疹がなかなか治らない
  • ・皮膚全体がカサカサしている
  • ・再発を繰り返す
  • ・湿疹の出る部位に特徴がある(耳、顔、首回り、わきの下、ひじの内・外側、ももの付け根、膝の表・裏側)
  • ・親にアレルギー疾患がある

(2) 内臓疾患や悪性腫瘍が疑われる場合
湿疹やかぶれの原因として、ごくまれに、原因が体の内部にある場合もあります。糖尿病、腎臓病、肝臓病、悪性の腫瘍などの症状の一つとしてかゆみや湿疹が起こる場合です。次のような場合は、元となっている病気を早急に治療する必要があるため、かかりつけ医や皮膚科専門医などを受診しましょう。

  • ・激しいかゆみがあるとき
  • ・広い範囲に病変がある場合
  • ・毎年同じ時期にできる場合
  • ・発熱や倦怠感などを伴う場合

●セルフケアできる症状
軽い湿疹、原因がわかっているかぶれなどの場合はセルフケアできます。

くすりを上手に使って悪化のサイクルを抑えるのがコツ

湿疹・かぶれなどはかゆみを伴うことが多いため、ついついかいてしまいがちです。
かいて治ることはまずなく、むしろ「かゆい」→「かく」→「患部をかき壊してしまう」→「化膿・悪化する」「患部が拡大する」という悪化のサイクルに陥ることが少なくありません。
かゆみや炎症を抑えるくすりを上手に使って、サイクルを抑えましょう。

炎症の悪化サイクルを抑える

アレルギーにはステロイド、細菌感染には抗生物質

皮膚用の薬はいろいろありますが、症状に合わせて使う必要があります。皮膚に炎症を起こしている原因がアレルギーのときはステロイド薬で過剰な免疫反応を抑え、細菌感染のときは抗生物質で細菌を抑えます。
強い炎症がなくかゆみだけなら抗ヒスタミン薬や鎮痒成分(クロタミトンなど)を配合したものを選ぶとよいでしょう。

症状に合わせたくすりを使う

くすりの選び方と注意点

湿疹・かぶれ用のOTC医薬品として、さまざまな外用薬が出ているので、症状に合わせて上手に活用しましょう。

症状が軽い場合:マイルドに炎症を抑えるステロイド成分や、かゆみを抑える抗ヒスタミン成分を配合したもので治療効果が期待できます。

症状が強い場合:ステロイドには、広がった毛細血管を引き締める効果があります。症状が強い場合は、ステロイド成分を配合したもので炎症を抑えましょう。

かき壊したとき、とびひなど:細菌を殺菌する抗生物質や化膿止めの入った軟膏などを使用しましょう。

症状がわかっている場合はいいですが、自己判断で使用するとかえって炎症を広げたりする場合もあるので、何を選択すればいいかわからないときは、薬剤師などの専門家に正確に症状を伝え、的確な医薬品を使うようにしましょう。

分類 はたらき 成分の例
ステロイド薬 炎症を鎮める、毛細血管を引き締めて皮膚の赤みやかゆみをとる フルオキシノロンアセトニド
プレドニゾロン
プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル
デキサメタゾン酢酸エステル
ヒドロコルチゾン酢酸エステル
ベタメタゾン吉草酸エステル
非ステロイド性抗炎症薬 炎症を抑える
※比較的軽い湿疹などに
ウフェナマート
抗ヒスタミン薬 かゆみをやわらげる
※ステロイドが使いにくい顔の湿疹などに
ジフェンヒドラミン塩酸塩
クロルフェニラミンマレイン酸塩
鎮痒成分(かゆみ止め) かゆみを抑える クロタミトン
抗生物質 細菌を殺菌する作用、病巣の清浄化 フラジオマイシン硫酸塩
クロラムフェニコール
組織修復成分 傷の治癒を助ける アラントイン
ビタミン類 血流を改善し、症状の回復を助ける。 トコフェロール酢酸エステル
(ビタミンE酢酸エステル)
殺菌消毒成分 細菌の増殖を抑える イソプロピルメチルフェノール
クロルヘキシジン塩酸塩

※アレルギーによるかゆみを抑えるのに、抗ヒスタミン薬を配合した内服薬もあります。抗ヒスタミン薬は眠くなる副作用がありますが、かゆみがつらいときにはむしろ眠りにつきやすくなります。

ステロイドの上手な使い方

湿疹、かぶれ、かゆみの薬といえばステロイド。ステロイドとは、体の免疫反応を抑える働きがあります。ですからアレルギーなどの過剰な免疫反応を抑えるには優れた効果が期待できるのです。ただ、長期に使用すると皮膚が委縮して固くなるなどの副作用も報告されていますので、医師や薬剤師などに相談して上手に使いましょう。

炎症反応が起きると、細胞膜のリン脂質に結合しているアラキドン酸という物質から、酵素を介してロイコトリエン、プロスタグランジンという生理活性物質が作られ、それらの作用で痛みや炎症などの症状が起きます。非ステロイド性抗炎症薬はプロスタグランジンを作る過程を、ステロイド薬はその前のアラキドン酸の働きを抑えるので、ステロイドの方が非ステロイド性抗炎症薬よりも強力な抗炎症作用があるのです。

ステロイドの上手な使い方

●ステロイド外用剤の上手な使い方

  • ・まず患部を清潔に洗いましょう。
  • ・くすりは患部にすりこまず、少しずつ薄く伸ばすように塗りましょう。
  • ・小児や高齢者は効き目の弱いものを使用するようにしましょう。
  • ・1日2〜3回、3〜4日程度を目安として、炎症が治まったら使用をやめましょう。
  • ・症状が変わらない場合、発疹や発赤がひどくなった場合は皮膚科を受診しましょう。

●ステロイドは強さによって使い分ける
ステロイドは強さによって5段階(7段階に分類する場合もある)に分けられます。OTC医薬品に使われるのはstrong、medium、weakの3ランクです。

ランク 成分※
strongest クロベタゾールプロピオン酸エステル
ジフロラゾン酢酸エステル
very strong モメタゾンフランカルボン酸エステル
酪酸プロピオン酸ベタメタゾン
フルオシノニド
ベタメタゾンジプロピオン酸エステル
strong プロピオン酸デキサメタゾン
デキサメタゾン吉草酸エステル
ハルシノニド
ベタメタゾン吉草酸エステル
ベクロメタゾンプロピオン酸エステル
フルオシノロンアセトニド
medium プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル
トリアムシノロンアセトニド
クロベタゾン酪酸エステル
ヒドロコルチゾン酪酸エステル
weak プレドニゾロン
ヒドロコルチゾン酢酸エステル
デキサメタゾン酢酸エステル
プレドニゾロン酢酸エステル

※日本皮膚科学会:アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2009より抜粋及び一部改変

●効果が高いタイプから徐々にレベルを下げていく「ステップダウン療法」
ステロイド薬は、他の薬剤と同様、weak、mediumといった弱い薬から始め、その効果をみながらstrong、very strongと強さの段階をあげていく「ステップアップ」療法が一般的でした。
ところが効果の低いものを使い続けると、治療期間がいたずらに長くなり、場合によっては症状が悪化することさえわかってきたため、最近では「ステップダウン」療法が主流になっています。
まず効果の高いステロイド薬で短期間に症状を改善し、様子をみながら弱いタイプへ移行していく方法です。

●部位によってステロイドを使い分ける
主に体のどの部位に炎症が起きているかによって、ステロイドの強さを使い分けることが必要です。
というのも、ステロイドの吸収率は腕を1とした場合、頭皮は3.5、掌は0.8、足裏は0.1と、おもに皮膚の厚さによって全く異なるからです。ステロイドが吸収されやすい部位としては、頬の13、陰部の42などです。
よって、皮膚が厚く吸収率の低い手や足の裏などには強めのステロイド剤を、顔面や陰部などの皮膚が薄い部位には、medium、weakのような弱めのステロイド剤を選びたいものです。
また、乳幼児へのステロイドの使用は医師や薬剤師に相談して使用しましょう。

ヒトにおけるヒドロコルチゾンの部位別経皮吸収率

その他湿疹・かぶれのセルフケア

●スキンケアを大切に
肌を清潔にして、かかないこと。せっけんなどを使用する場合は、低刺激のものを選びましょう。

●かぶれて急激に赤く腫れたり痛がゆかったりする場合
まずは安静を心がけ、赤く腫れて熱を持っている場合、かゆみがある場合は氷や氷のうで冷やしましょう。
また、腕や脚に湿疹が起きた場合は、念のため一時的な腫れなどがおさまるまで心臓より高く固定しておき、かゆみや炎症を抑える薬を清潔な手で塗っておきましょう。長時間の入浴は避けるか、軽くシャワー程度にしておいた方が無難です。
また、漆や化粧品などにかぶれた場合は、水ですぐに患部を洗い流すことを忘れずに。

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