頭痛の対策

頭痛が起こったらどうする?

今まで感じたことのない頭痛や、思い当たる原因がない頭痛など、心配な場合は医療機関を受診するのがおすすめです。日常的な頭痛のコントロールには市販薬も活用できます。病院と市販薬でのセルフケアを両輪として、痛みを最小限に抑え、快適な毎日を過ごしていきましょう。

医療機関(病院)での受診をおすすめする場合と、市販薬等で対処できる場合

医療機関(病院)での受診をおすすめする場合

下記のような場合は医師の診断を受けましょう。

  • 今まで感じたことのない痛みがある場合
  • 突然痛みが出て、どんどんひどくなる場合
  • 頭痛が何度も起こり、最初と比べて痛みが強くなっているように感じる場合
  • 頭痛とともにめまいや吐き気、嘔吐などが現れてきた場合
  • 頭痛とともに目の見えにくさや手足の動きにくさなど、何らかの体の異変を感じた場合
  • 頭痛とともに熱や発疹が生じた場合

特に、ガンガン殴られるような激しい痛み、高熱、意識障害、手足の麻痺、ろれつが回らなくなるなどの症状が出ているときは、緊急性の高い脳の病気が原因になっているかもしれません。ためらわず、すぐに病院に行きましょう。

慢性頭痛でも、寝込むほど痛みが激しい片頭痛を繰り返していたり、群発頭痛が長期化していたりしてつらい場合は、専門医のいる頭痛外来などの受診をおすすめします。頭痛外来では、頭痛のタイプを正確に診断したうえで、その痛みの原因そのものに働きかける薬を処方するなどの治療を行っています。

市販薬等でセルフケアできる場合

軽い片頭痛や緊張型頭痛は、生活習慣の改善やストレッチ、市販薬などによるセルフケアで対処できます。
しばらくセルフケアを続けても症状が改善されず、痛みが長く続くようなら別の病気が潜んでいる可能性も疑って医師に相談しましょう。

痛みを起こす物質と鎮痛薬のはたらき

頭痛を引き起こすもととなるのは、体内で産生される発痛物質です。頭痛につながるような何らかの刺激や炎症、感染、血流の悪化などがあると、ブラジキニン、ヒスタミン、セロトニンなどの発痛物質が作られ、痛覚中枢に伝えられて痛みが起こります。さらに、最終的に「発痛増強物質」と呼ばれるプロスタグランジンが作られ、炎症を起こしたり、シナプス(神経終末)に作用してより痛みを感じさせやすくするとともに、発痛物質の作用をより強めます。
プロスタグランジンは、ゲームに例えれば最後のボスのようなものです。解熱鎮痛薬に配合されている非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)という種類のお薬は、このプロスタグランジンを効果的に抑えることで鎮痛効果をもたらします。

痛みを起こす物質と鎮痛剤のはたらき

くすりの選び方と注意点(解熱鎮痛薬)

市販の解熱鎮痛薬は、鎮痛成分に加え、鎮静成分や鎮痛補助成分(カフェイン)、制酸剤などが配合されています。年齢、ほかの薬との飲み合わせ(循環器系の病気の薬など)、病歴(ぜんそくなど)によって注意が必要な成分もあるので、薬局で専門家に相談し、自分にあった薬を選びましょう。
鎮痛成分として最も広く使われているのが、ロキソプロフェンナトリウム水和物などのNSAIDsと呼ばれる種類の成分です。ほかに、子どもでも使えるアセトアミノフェンがあります。服用してから効果が現れるまでの時間は15分~2時間程度と成分によって異なりますが、30分以内のものが多いようです。そのときの体調によっても異なります。
鎮静成分としてはアリルイソプロピルアセチル尿素などがあり、イライラ感や不安感を和らげ鎮痛を補助する作用があるといわれています。

主な解熱鎮痛成分 作用 主な特徴
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs) ロキソプロフェンナトリウム水和物 痛みのもととなるプロスタグランジンの生成を抑える 解熱作用、鎮痛・抗炎症作用がある。鎮痛作用が強い。プロドラッグ(成分が体内に吸収されてから活性化し効果を発揮する薬)のため、胃腸障害は少なめ。15歳未満は禁忌。
アスピリン(アセチルサリチル酸) 解熱作用、鎮痛・抗炎症作用がある。15歳未満は禁忌。胃腸障害に注意。
イブプロフェン 解熱作用、鎮痛・抗炎症作用がある。消炎作用に優れる。15歳未満は禁忌。
エテンザミド 解熱作用、鎮痛・抗炎症作用がある。効き目はおだやか。
イソプロピルアンチピリン 解熱作用、鎮痛作用がある。発疹に注意。
アセトアミノフェン 脳の痛みを感じる部分に働きかける 解熱作用、鎮痛作用がある。抗炎症作用はほとんどない。小児でも使える。
  • 胃が荒れやすい方は、空腹時の服用は避けましょう。アルコールや、コーヒーなどカフェインが含まれる飲み物での服用は避けて水で服用するようにしましょう。
  • 用法・用量をきちんと守りましょう。頭痛治療のために月10回以上、鎮痛薬を服用するような場合は、医師に相談しましょう。
  • 妊娠中、授乳中に頭痛が起こってしまった人は、自己判断で服用しないよう注意が必要です。NSAIDsなどの成分は、妊娠中期~後期に使うと赤ちゃんの健康に影響するおそれがあり、添付文書で使用における制限がかかれています。妊娠中は主治医に相談し、授乳中の場合も薬剤師に相談して対処してください。

他に原因がある場合の対処法

頭痛の原因に思い当たるものがある場合は、頭痛薬を服用するより先に、その根本について改善を試みることも大切です。

熱中症

熱中症による頭痛の可能性があるときは、体にこもった熱を逃がすことと、水分や塩分を補給して体液のバランスを改善することを優先しましょう。

二日酔い

二日酔いで吐き気があると、頭痛薬を飲みたくても飲めない場合があるかもしれません。そのようなときは、先に胃腸薬を使用するのもよいでしょう。

眼精疲労

「目を使い過ぎると頭痛が起こることが多い」という自覚がある人は、長時間目を酷使せず、意識して休憩をはさむよう心がけるのが大切です。メガネなどの度数のチェックも定期的に。

目のはたらきをサポートするビタミンB1を主とした薬の服用もおすすめです。目の周りや肩のマッサージ、蒸しタオルで目を温めるなどの対応も加えて、疲労改善をはかりましょう。

(コラム)悪化したり治らない場合は病院で相談を

緊張型頭痛など一次性の慢性頭痛を持つ人にとって、手軽に買える市販薬は、頭痛に邪魔されずに日常生活を送るために助かる存在ですよね。薬を上手に使うことは、慢性頭痛をコントロールするうえで重要です。
しかし、「そういえば、最近薬が減るのが早いような…」「なんだか毎日頭痛薬を飲んでいるような気がする」…そんな人は要注意。日増しに頭痛がひどくなっていくような場合はもちろん、服用頻度を振り返ってみて、月10回以上も市販薬を服用しているということに気づいた場合は、病院に相談することをおすすめします。鎮痛薬の使い過ぎによってかえって症状をこじらせてしまう「薬物乱用頭痛」に陥る可能性もあります。
薬の説明書をよく読み、用法・用量どおりに使ってもよくならないときは、背景に別の理由がある可能性も考え、服用を中止して医師や薬剤師に相談しましょう。

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解熱鎮痛薬

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    解熱鎮痛成分アセトアミノフェンが中枢神経系に速やかに作用し、すぐれた鎮痛・解熱効果を発揮します。
    胃への負担が少ない解熱鎮痛薬です。

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